劣化しないドラマ 「すいか」
「すいか」 (日本テレビ 2003年夏放送ドラマ)
放送された2003年の夏に、第8話を少し観て気に入ったドラマ。(小林聡美さんが主演ということもあって観たのだが)
でも、時間があわずに 観よう観ようとは思っていたが、結局その一回だけ観ただけだった。
でも、放送後の4年間、頭のどっかで気になり続けたドラマだったので、遂に全10話を一気に観た。
やっぱりいいドラマやった。 (^O^)
視聴率はあんましよくは無かったようだけど、その数字の低さに疑問符が付くぐらい、観た人の間での評価は高かったようだ。
「すいか」のシナリオは第22回向田邦子賞を受賞した。(脚本家 木皿泉)
1話1話は、まったりとした日々を描いたドラマだが、単にまったりとしたドラマみたいな受け取られ方をしたのか、そのクオリティーの
高さに比べ、今の殺伐とした日本だと、観る人は観るだろうけど...的な、視聴率がそんなに上がらなかったのもなんとなくはわかる。
でも、全10話を観ることにより、9話までの流れがあってはじめて 最終回があり、「すいか」というドラマの描こうとしているもの、
その意図がはっきりと伝わる。(最終回が終わった後の余韻も格別だった)
全10話を観ないと、このドラマの意図が伝わりにくいところが、単にまったりとしたドラマとしてしかとらえられてない最終話までの
視聴率につながらなかったのかもしれない。
1話ずつを断片的に評価するのではなく、全10話を観て評価されるべき連続ドラマなのだ。
作品を作る上ので難しさですね。
毎話毎話 視聴者を引きつけるために 視聴者迎合に走り、作品自体が劣化してしまうドラマが多いけど。
この「すいか」は、作品のクオリティーを保ち続けたように見える。
アナログな日常にこだわりと持ったのもよかったのでは。
放送後に評価が高くなっていったことにも、この「すいか」というドラマの質の高さが見て取れる。
「すいか」シナリオBOOK (日本テレビ放送網出版) も読んだ。
シナリオ集ってのを、はじめて全話読んだけど、読みやすかった。
ドラマでは描かれていなかった場面もあり、なるほど〜って思うとこも。
主題歌は大塚愛さんの「桃ノ花ビラ」(avex trax)。
NHK「よるドラ」 大塚愛 主題歌 「大好きだよ。」と共に、いい曲ですねー。
ただ、この「すいか」、表題が示すように、どちらかというと夏のドラマである。
寒い冬に観たのだが、ストーリー内容的には季節は問題ないのだが、やっぱり映像的にはズレを感じる。
一度は夏にも観てみよう。
それはこの夏かもしれないし、来年かもしれない。
いや、数年後...etc。
何かに煮詰まったときに、ふとしたときに観たい。
すべての年齢層の人を対象にしたドラマというだけあって、何年後でも劣化を感じない。
久々に、そんなドラマに出会えた。
ってことで、手元に置いておきたいドラマだったので、DVDBOXを購入した。
何か思うときに、またその箱を開こう。
「すいか」 2003年夏放送ドラマ
<あらすじ>
まるで時代をタイムトリップしたかのような賄い付きのレトロな下宿を舞台に、そこに集う多種多様な女性たちによって繰り広げられる
あまりにも日常的にして、あまりにも非日常的な人生の悲喜交々を綴った大人のアンサンブル・ドラマ。
世間のしがらみに縛られ、煮詰まっている30代半ばの信用金庫職員・基子。他人としがらみを持つことを恐れる、20代後半の売れない
漫画家・絆。時代からこぼれ落ちたような2人が、今どき珍しい“賄い付き下宿”で出会い、共同生活を始める。他の下宿人は、謎めいた
年齢不詳の大学教授・夏子と、大家を務める明るい大学生・ゆか。年齢も境遇もばらばらな彼女たちが、お互いの存在を通して、
それぞれに新たな生き方を見つけていく。
1983年の風俗三昧の冒頭から2003年にドラマは一足飛びするも、漂うノスタルジーは全編を通じて変わることがない。一見、何気ない
日常を扱っているようで、実は常に人生の一大事を見つめているところがこのドラマのミソだ。ほのぼのテイストにオブラートして、
出るわ出るわの根源的な人生の問いかけ。そしてドラマを見終わった後には、たまらなく人間がいとおしく思えてくる。そろいもそろった
異色女優陣の掛け合いは、そのいずれもが見ごたえあり。3億円横領犯としてドラマを通して逃走中の馬場ちゃん(小泉今日子)の境遇
が、ドラマに絶妙のアクセントを与えている。
性格も境遇も違う5人の女性たちが、ある下宿での生活を通して自分を見つめ直し、それぞれが少しずつ成長していく姿をユーモラスに描く。
全10話
<キャスト>
小林聡美、ともさかりえ、市川実日子、浅丘ルリ子、白石加代子、もたいまさこ、小泉今日子、高橋克実、金子貴俊 他
<主題歌>
大塚愛「桃ノ花ビラ」(avex trax)
日本テレビ 2003年夏放送ドラマ
<「すいか」関連商品>
「すいか シナリオBOOK」 (単行本 日本テレビ放送網出版) 木皿 泉 (著)、山田 あかね (著)
日本テレビ系土曜ドラマ「すいか」オリジナルサウンドトラック(CCCD) 大塚愛 他
「すいか DVD-BOX」 (4枚組)
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